ラブカ(学名: Chlamydoselachus anguineus)は、軟骨魚綱カグラザメ目に分類される深海魚です。この記事では、ラブカについて詳しく紹介します。
ラブカは稀少な魚でありながら、広範な分布域を持っています。大西洋と太平洋の全域から散発的に記録があります。東大西洋ではノルウェー北方、スコットランド北方、アイルランド西方、フランスからモロッコ、マデイラ諸島、モーリタニアなどで見られます。中央大西洋ではアゾレス諸島からブラジル南方のリオグランデ海膨までの大西洋中央海嶺上や、西アフリカ沖のバビロフ海嶺で確認されています。西大西洋ではニューイングランド、ジョージア州、スリナムなどで見られます。また、西太平洋では本州南東、台湾、ニューサウスウェールズ、タスマニア、ニュージーランドなどでも生息が確認されています。
ラブカの体型は細長い円筒形で、頭部は幅広くて平たく、短く丸い吻が特徴です。鼻孔は縦に裂け、眼は比較的大きく楕円形です。口は通常のサメとは異なり、体の前端に大きく開きます。歯列は隙間を開けて並び、上顎で19から28列、下顎で21から29列あります。全体の歯数は約300本ほどで、小さく細い三尖頭を持ち、先端は鋭くとがっています。
胸鰭は短くて丸く、背鰭は小さく後縁が丸い形状をしています。腹鰭と臀鰭は大きく幅広く、体の後方に位置しています。尾鰭は非常に長く、下葉や欠刻はありません。体色は暗褐色や灰色をしており、皮膚は滑らかです。
興味深い特徴として、ラブカは卵胎生(卵を体内で孵化させる)です。一度の出産で6から12匹の稚魚を産むことが知られています。
また、驚くべきことに、ラブカは食用とされることもあります。特にラブカの刺身は比較的有名で、サメとは思えない見た目や脂の甘さ、うま味が楽しめると言われています。他にもラブカの肝刺身や煮つけ、水煮、フライ、幽庵焼きなど、さまざまな食べ方があります。
ラブカは深海に生息するため、一般的にはあまり一般的には目にすることはありませんが、その神秘的な姿や食用としての魅力は注目される価値があります。