「マルタ騎士団」(Malta Order、または、Sovereign Military Hospitaller Order of St. John of Jerusalem, of Rhodes and of Malta)は、中世に発足したカトリック教会の騎士団で、現在は国際的な人道支援・緊急援助活動を行っている宗教的な非政府組織です。
マルタ騎士団は、1099年にエルサレムを征服した十字軍によって設立されました。最初は、聖ヨハネ騎士団と呼ばれていましたが、12世紀には、ローデス島に拠点を移し、その後、16世紀にマルタ島に拠点を移しました。騎士団は、中世において、十字軍遠征や聖地防衛など、キリスト教徒のための戦いに参加し、また、病人や貧しい人々のための病院や施設を運営していました。
現在のマルタ騎士団は、宗教的な性格を持ちながら、国際的な人道支援・緊急援助活動を行っています。その中心となるのが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と提携し、世界中で起こる難民問題に対する支援活動です。また、災害時の救援活動や、医療や社会福祉など、様々な分野で活動しています。マルタ騎士団は、現在でも、騎士団としての権利を持ち、総長を中心に組織されています。
「ローデス島」(Rhodes Island)は、地中海に浮かぶギリシャ領の島で、古代から重要な商業・交易地として栄えてきました。また、ローデス島には、中世に発足したカトリック教会の騎士団である「聖ヨハネ騎士団」が拠点を置いていたことでも知られています。
古代ギリシャ時代には、ローデス島はコロッサイ島(現在のトルコ)と共に「カリア地方」の一部であり、紀元前408年にはアテナイの支配下に入りました。その後、紀元前305年にはプトレマイオス朝エジプトの支配下に入り、紀元前164年にはローマの支配下に入りました。
中世になると、ローデス島は東地中海交易の中心地となり、ビザンツ帝国やイスラム教徒、十字軍など、多くの勢力に支配されました。1291年には、聖ヨハネ騎士団が島を支配するようになり、騎士団は島に多くの城塞や要塞を建設し、島を防衛しました。騎士団の支配下では、ローデス島は文化や芸術が栄え、医学の発展もみられました。
16世紀には、オスマン帝国の攻撃を受け、騎士団は撤退を余儀なくされますが、その後もローデス島は、オスマン帝国の支配下にあっても、商業の中心地として発展していきました。現在でも、ローデス島は、美しい海岸線や遺跡が点在する観光地として、多くの人々から訪れられています。